お気に入りと緑に囲まれる家・中野M その2

2012年09月14日

少し間が空きましたが、今日は中野Mのキッチン廻りを紹介します。

この家では、その1でも書いたように、いつも一緒のLDKで、広くて天井の高い大空間、
というのではなく、あえて、リビングと、ダイニングキッチンを分けています。

少し見え隠れするこの2つの場所は中庭を挟むL字の長辺と短辺にあり、
リビングは中庭に向かって足を垂らして座れるレベルですが、
ダイニング側は中庭のレベルに近づけることで、中庭を取り込む場所となっています。

写真のキッチンは、コンクリートブロックにSUSシンクを一体溶接した天板を載せただけの
シンプルな作りですが、ガスレンジやオーブン、水栓などの長く使いたい設備機器や、
キッチン前のうろこタイルやツールをかけるためのSUSバーなど、
一緒に料理を楽しむご夫妻にとっての使い勝手と印象を大事にしています。

また、L字のカウンターの先とその背面には冷蔵庫も収納する食品庫があり、
緑の壁は合板下地に施主自ら塗装をした黒板壁と、
お気に入りの場所をラクに維持できる工夫と楽しめる場所を作っています。

それと、この家で大きなテーマだったのは、素材を引き継ぐこと。

お祖父様が長く住まわれていた家の風情や素材には愛着があり、
何かをどこかに使いたい、との話からスタートした家づくりでしたが、
前の家の木の壁を、キッチン周りの収納の扉に作り替え、庭の緑を引き継ぐことで、
新しいけどピカピカすぎない、中庭からの風を通りこむ穏やかな場所になりました。