家具にまつわるセミナーを行いました。

2012年07月30日

こちらで告知していませんでいたが、7/28(土)に、青山の家具蔵さんで
家具にまつわるセミナーをさせていただきました。

とはいうものの、まんぼうでは家具工事として家具を作ることはあまり無く、
建物の構成の一部として計画していることが多いので、
住まいに取り入れる時の考え方のバリエーションや素材についてなど、
考え方次第でなんでもできますよ、といった内容のお話をさせていただきました。

但し技術的に不可能なことももちろんありますので、本当になんでも!ではないですが。

写真は8年ほど前になりますが、まんぼうでリフォームを行った住戸の模型で、
ここでは家中のすべての収納をまとめた「収納セット」という家具を作り、
この大きな塊を、部屋の真ん中から少しずらした位置に置くことで、
LDK、寝室、たたみコーナーを緩く分ける住まいを作りました。

連続した天井や壁を見せることで、実際の広さよりも広がりを感じ、
行き止まりを作らないことで、採光や風通しの面でも気持ちの良い住まいとしたものです。

私たちの設計では、住まいに関するいろんな話をすることで家に関する施主の思いを知り、
いろんな形だけでなく、ライフスタイルそのものも含めて提案していますが、
あくまで建築として作るものは、生活のベースとなる部分だと思っています。

具体的にいうと、ひとたび生活が始まると、人だけでなく、お気に入りの家具やモノなどの要素が増えていくものですので、その時にバランスよく共存できる、心地よくラクな住まいを計画することが大事と考えています。

と、少しウンチクめいたことを長々と書きましたが、
自分たちが好きなモノと、家族との距離を含めた自分たちがしたいライフスタイル、
そして、自分たちにあった収納の仕方や家具についてたくさん話していくことで、
住まい手にあった家の形が見えてくるのでは、と思っているのです。

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もう一つ、7/27-29の3日間、まちかど建築家展にも参加してきました。

ここでもいろんな方々とお話しすることができ、
私たちにとってもとても刺激的で有意義な週末でした。

関係された皆様、いろいろとありがとうございました!

港S、竣工しました。

2010年10月2日

○10/23(土)、24(日)、代官山ヒルサイドテラスで行われる、「SEA'S まちかど建築家展
に参加します。
当日は私達もいますので、どうぞお気軽にお越しください。
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さて、またずいぶん時間が経ってしまいましたが、「港S」が無事竣工し、引渡しを終えています。
スケルトンの状態から、床と天井を貼り、家具を作ってゆるく曖昧な仕切りを作りました。
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家具の向こうにアルコーブ/ダイニングリビング/キッチン廻り
今回、ラフな仕上がりがイメージとしてあったため、いわゆる製作家具を置くのではなく、
現場の大工工事で作り、組み立ててから現場で塗装しています。
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左:大きな家具は、通常仕上げ材ではなく下地として使われるラワン材ですが、下地の見える
浸透系塗装を施し、ほど良い木の感触を残した、シンプルな木の4面収納家具となっています。
※通常の仕上げ材と異なるため、多少の反りの可能性と、ささくれには処理が必要です。
※ラワン材の家具は、「品川K」でも採用しています。
中:キッチンは、下部に作り付けの収納は設けず、スチールで作った脚にシンクを溶接した
ステンレス天板を載せたシンプルな作りでコストダウンを計りつつ、生活の変化に合わせて、
下部には見える収納を組み立てていく予定です。
ただし、全部が見えてしまうのは煩雑な印象になりかねないので、横に冷蔵庫も収納する、
大きな食品・食器収納庫を作っています。
右:ダイニング兼作業テーブルは、キッチンと同じスチールの脚に、色と手触りの良いタモの
集成材を載せただけのシンプルなものですが、表面の保護のため、ツヤを落としたウレタン
塗装を施しています。サイズは900×1800と大きなテーブルです。
と、個別の説明をしようとするといくらでも書いてしまうのですが、家具工事、大工工事の
仕分けに関わらず、家具を作る際は施主の生活スタイルに合っていることと、物としての
性能をしっかり確保することが大事だと考えています。
そして、決められた全体予算の中で、イメージを実現するにはどうやって作るのが良いか。
このあたりが建築家の仕事というか、腕の見せ所とでもいいましょうか。
その他、この住まいでは、水廻りやサッシ周りの手すりも含め、全て一新しています。
フロアの中での場所は、既存の排水への接続があるため大きくは動かせませんが、トイレの
向きを変えたり、洗面を大きなカウンターとしたり、室内と繋がる大きな開口を作ったり、
仕上げを統一することで、広く明るく、空気の篭らない水廻りを作ることは可能です。
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工事は完了しましたが、新しくなった住まいの中で、Sさんが理想としていたライフスタイルを
楽しまれる様子を見させていただければいいなと思っています。
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と、久々の更新は長くなりましたが、新たに始まっているプロジェクトや家づくり、ライフスタイル
など、これからはもう少しマメな更新をしていく予定です。