9月15日の横浜KYO/地盤改良工事

2009年09月17日

横浜KYO邸は地鎮祭も終わり、いよいよ現場スタートです。

敷地の周辺は傾斜地になっていて、道路の両側に階段状に宅地が並んでおり、
今回の敷地も、周囲をコンクリートの擁壁(ようへき)に囲われていて、隣地とは
1mを
超える段差があります。
通常、この階段状の宅地が、切土(元の地盤を切り崩す)によって
造られたものか、
盛土(元の地盤の上に土を盛る)によって造られたものか
によって地盤の耐力が変わり、
地盤改良が必要になりますが、本敷地は後者であり、擁壁 αの深さまで
地盤を
改良する必要があることが設計当初の確認で、わかっていました。
地盤改良にもいろいろあるのですが、改良深さと工期短縮の理由から、
今回は
小口径鋼管杭工法と呼ばれるものを採用しました。
と書くとわかりにくいかと思いますが、「小口径鋼管」とは口径(直径)の小さな鋼管で、
直径12cm弱の鋼管
を必要数地中に圧入して、その上に建物の基礎を載せるイメージです。
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こうすることで、支持地盤といわれる強い地盤の上に基礎が乗っていることになる
わけで、
打ち込む本数は、構造計算されて決まるのですが、今回は29本でした。


前置きが長くなりましたが、工事自体は非常にシンプルで、通称ユンボといわれる小型の
ショベルカーの腕の先端に専用工具を取り付けて、鋼管を回転させながら、ユンボの自重で
地中に差し込んでいくだけで、次々と杭が地中に飲み込まれていきました。


と、せっかくの工事開始に3行で終わってしまってはのっけから心もとないので、
少し肉付けしてしまいました。

連休明けには基礎工事が始まる予定です。
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講習会とコンペと地鎮祭

2009年09月14日

早いもので、気がつけば9月も中旬になってしまいそうですが、
先週の月曜日は、一級建築士の定期講習を受講するため、ビッグサイトに行ってきました。
この定期講習は、最近新しく義務付けられたものなのですが、朝から夕方までみっちり
5時間講習&考察テストまでセットになっていて、久々のテスト体験に、疲労感を味わってきました。
内容は、構造偽装問題をきっかけとした法改正を中心に、環境に関わる最近の基準など、
まんぼうのような設計事務所の場合、業務に関わる部分として普段からチェックしていることが
主であり、改めて確認することができたという点では、有意義であったと思いますが、
5時間では分厚いテキスト1冊を早足で全て確認するのは慌しく、
シートに付属の小さなテーブルでのメモ取りには、一気に肩と腰が凝ってしまいました・・・。
と少し愚痴をこぼしつつも、あまり受ける機会が無くなってみたら、少々物足りなく、
なにか受けられるテストはないかしら?、なんて思っていたりするから不思議なもんです。
あの、なんともいえない緊張感が心地良いのかもしれません。
ちなみに、今回、実はゆりかもめに初乗車だったもので、車窓からもキョロキョロし通しでした。
(いつもりんかい線よりゆりかもめのルートの方が安いことに今頃気が付きました)
いつの間にか綺麗に整っっている景色を、たまに少し離れた所から見るという体験は、
日常においても大事なことと、改めて感じました。
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火曜日は、またまたコンペを1つ提出しました。
限られた敷地環境の中に、親子5人と多数訪れる友人達のための諸々の空間を作り、
どこにいても十分に感じられる風の通りと、実際以上に感じられる開放感を大切に考え、
空間を立体的に使うことで、空と風を感じながら過ごせる住まいを提案しました。
好立地ながら隣地が近いといった敷地の特性から、LDKを中心としたパブリックスペースを
2階レベルに持ち上げる形で計画しましたが、1階の水廻りを中心とした機能領域が
ただの廊下に面する場所になってしまわないよう、訪れる人たちを贅沢に迎える
気持ちのよいホールとして、光と風をしっかり取り込むように計画しています。
今回、子供の領域やごろ寝できる場所、シアター/ゲームコーナー、LDKに繋がるテラスなど、
様々な要望をどのような空間として作るかということが大きな課題だったように感じましたが、
2階レベルに立体空間を持ち込むことで、実際以上の広さや開放感を実現することが
できたのではと感じています。
毎回の事ながら、締め切りには追われてしまうのですが、
まんぼうの提案する住まいがうまく伝わればいいなと思います。
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・・・余談ですが、まんぼうでは、カラー出力用として、A3サイズのインクジェットプリンターと
A1サイズの大判用インクジェットプリンターを10年近く併用しているのですが、
どうも最近、どちらもエラー気味です。
インクやプリンタヘッドを交換したりしてるのですが、本体の寿命ってあるのでしょうかね。
こういうものはきっかけがないとなかなか買い換えないもので、ちょっと悩み中です。
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それから、週末には、横浜KYOの地鎮祭がありました。
あいにくの空模様でしたが、なんとか雨は降らず、滞りなく終えることができました。
皆様の日ごろの行いに感謝です。
さてさて今週から杭工事が始まります。
今度こそ、最後まで順次アップしていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。

8月の近況

2009年08月29日

気がつけば8月ももう終わりですが、今年はあまりエアコンを入れない夏でした。
と思っていたら、残暑が続き、もう少しお世話になるのかなあとも思うのですが・・・。
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先週末は、前回記事の、「白い箱」にこだわった家のプレゼンのため、
岐阜県へお伺いしてきました。
この家は、ゆとりのある敷地で、周辺環境にも比較的恵まれたところにあるのですが、
まんぼうの案では、周囲とのプライバシーを保つ上での距離や、テラスの快適性、
それにテラスとリビングを日常から繋げて開放的に使えることなどに重点を置き、
LDKを2階としています。
また、子供部屋については、当面はまだ閉じた個室を必要としないことから、
当初は家事をしながら目の届くプレイルームとして使い、成長に合わせて
壁を追加していく形で提案しています。
いくつかの質疑を事前に頂いていたので、まんぼうなりの回答や新たな提案を、
コンペでの提出案をベースに、少し大きめの模型を作ってプレゼンさせて頂きましたが、
構成については、どこを重要とするかにより、いろいろと新たな提案をしていくことは
十分可能だと考えています。
コンペは文章のみの情報からの提案させて頂くことが多く、実際にお会いした時には
熱い思いが溢れてしまい、ついついしゃべりすぎてしまうことも多々アリですが(笑)、
まあともかく、まんぼうなりの提案が伝われば幸いです。
あと、模型写真を撮り忘れていたので、それはまた返却いただいてからにでも。
・・・余談ですが、先月生まれたばかりの息子さんもご一緒のプレゼンで、
可愛らしい泣き声やぷにぷにの感じに、こちらまで幸せな気分になりました。
うちにも1歳8ヶ月になる息子がいるのですが、すっかり愛犬を追い掛け回し、
大きな声で泣き笑いするようになっていて、改めて成長を実感しています。
090729_iti03.jpg キッチンからリビング越しのテラスまで見ています。
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それから中旬には、住宅密集地の中の旗竿敷地に建つ住宅を、コンペで提案しました。
要望から、内部空間の広さやイメージといった具体的なことより、本が好きだという
施主夫妻のライフスタイルを大事にしていると感じられたため、
内部の計画や、快適な環境を取り込むことは当然とした上で、
更に、それぞれ環境や特徴の違う、本を読んだり自分の時間を過ごすための場所を
付け加えた住まいを提案しました。
それはどんな場所かというと、
朝の空気がひんやりとした時間に外でコーヒーを飲みながら本を読む場所であったり、
料理している奥様や宿題をしている子供の気配を感じながら、ちょっと篭れる場所で
外からの風を感じながら読む場所であったり、ぎゅっと詰まった細長い空間で
じっくり楽しむ場所であったり・・・。
リビングから一段上がったスカイリビングや天井の低いアルコーブ、玄関から繋がる
静かなホールや建物までのエントランスなど、本を読むためだけの場所でなくても、
過ごし方次第で、いろんな楽しみ方が出来ると考えています。
敷地条件が厳しく難しい部分もありましたが、私たちもどんな場所が心地よいと思うか
考えることは、楽しくもありました。
最近、本当に伝えたい部分の伝わりやすいプレゼンに試行錯誤しているのですが、
本を楽しむことも出来る空間の豊かさや魅力がうまく伝われば幸いです。
※ちなみに今回の敷地は、形状によっては日影規制がかかる地域ですが、
メリハリをつけて高さを押さえ、ボリュームを立体的に分散させることでクリアさせています。
ちなみに、私はキャンプや公園等の外で、コーヒーを飲みながら本を読む時間が一番好きです。
更に、そのコーヒーがそこで入れたものであれば、更に幸せです。
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それから、上旬には、土間を楽しみたい夫妻の家について、プレゼンをする機会がありました。
都内の狭小地ではありますが、土間にはバイクを置き、そこで七輪を楽しみながら
お酒を飲んだり友達との時間も楽しんだり、また、屋上テラスでもお酒を楽しんだり、
といった楽しそうな要望や、集中する時には各自が篭れる場所が欲しい等の
明確な要望の詰まった住宅でした。
漠然としたイメージで、ご夫妻にはフロアごとの構成イメージがありましたが、
まんぼうでは、せっかく土間を作るなら、使う時だけ、というのではなく、奥行きや
広さを感じることにおいても土間を用い、積極的に土間を楽しむことができる家とした方が
良いのではないかと考え、大きなカウンターを持つキッチンダイニングを土間に併設して
土間と繋げて使うことが出来る住まいとして、提案させていただきました。
残念ながら、まんぼうは採用となりませんでしたが、これまでにも設計で取り込んでいた
土間という空間の使い方や、狭小地において空間をいかに有効に使うか等、
いろいろな条件について考えることは、有意義な経験となりました。
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その他のプロジェクトでは、現在進行中の横浜KYOは、無事見積もり調整作業もまとまり、
来週末にはいよいよ工事契約予定です。
それが終われば現場が始まりますので、また気を引き締めていこうと思います。
あとは最近溜まってきた模型の整理やHPの整理など、ついつい後回しになっていることなど、
今年中には片付けたいなと思う今日この頃です。

P1グランプリ結果報告と横浜KYO

2009年05月8日

5/6に行われたP1グランプリ準決勝ですが、私達は次点に終わりました。
結果は残念でしたが、私達の考える「植物と共に暮らす」ということから
まんぼうの「ライフスタイルも含めて提案する」ということについてお話しすると同時に、
自分達でも思考を整理する良い機会となり、とても有意義だったと感じています。
また、いろいろな方の考え方に触れられた時間も含めて、素直に楽しい時間でした。
事前投票、当日含めて、いろいろな方に投票いただき、感謝しています。
私達の提案からも、家づくりについての楽しさなど、感じて頂ければ幸いです。
また機会があれば、いろいろお感想など聞かせ下さい。
決勝戦は5/9(土)行われ、私達も観覧予定です。
また、その後、15時頃より祝賀会として、参加建築家や一般の方も交えての
ざっくばらんな懇親会が行われ、まんぼうも参加します。
ご都合が宜しければ、どうぞお気軽にご参加下さい。
今回の経験を生かしながら、また快適なライフスタイルを実現する住まいづくりを
していきますので、これからもどうぞよろしくお願いします!
※以下はプレゼンに使用したスケッチ:まんぼうでは内部に入り込んだ時の見え方や
感じ方を見てもらうため、スケッチを描くようにしています。
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スケッチは一條太郎が担当しています。
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3月最初の現調以来アップしていませんでしたが、「横浜KYO」は2週に一度ペースの
打ち合わせを繰り返しながら進んでおり、現在は基本設計の概算見積もり調整をしています。
※基本設計の段階では、まんぼうの作る案をもとに、実際の暮らしを想定しての細かい使い
勝手を確認したり、具体的な形にしていくことで見えてくる新たな要望を盛り込む作業を
繰り返し、納得のいく形を作り上げていきます。
それと同時に、ショールームを一緒に廻ったり、製作キッチンの細部に渡る打ち合わせや
照明計画、スイッチ、コンセントの位置などもこの段階から確認させて頂き、それらを図面に
まとめて、複数の施工会社に、概算見積もりとしての積算を依頼します。

今回は3社に見積もりをお願いし、それぞれ2週間ほどで出してもらったのですが、
その見積もりから調整を行う場合はどこを変えるかなど、様々なシュミレーションを元に、
施主との打ち合わせをしていく予定です。
現在、今週末の5/10の打ち合わせに向けて、これまで打ち合わせしてきた使い勝手や
気に入って頂いた建物全体のイメージなどはできるだけ変えず、調整作業中です。
※左がスタート時の形で右2枚が現在の形。
2階リビングの奥まで光と風がより有効に入るよう、屋根の形を調変更しています。
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港Sも進行中ですが、その他のプレス関係等のとりまとめ仕事がもう少しでひと段落予定です。
ちょっと時間をみながら、未掲載物件や、上記の設計の流れなども含めて、
ホームページをもう少し充実させていきたいと思っていますので、
どうぞ気長にお楽しみに。
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※手始めにと言うほどでもないですが、2人の写真を最近のものに更新しました。
ホームページは一條美賀が担当しています。

春の住まいづくり大相談会 と 近況/横浜KYO

2009年03月20日

今日、3/20~22までの3日間、建築家5人展「チェンジ!」を行っている
リビングデザインセンターにて、「春の住まいづくり大相談会」が行われます。
「春の住まいづくり大相談会
 ~あなたの住まいづくりに、あと必要なことは何ですか?~」

この中で、「建築家によるリフォーム相談」も行っており、私達も参加しています。
3/22は、終日いる予定ですので、興味のある方は是非覗いてみてください。
建築家5人展「チェンジ!」も3/31まで行ってますので、
また感想などお聞かせいただけると嬉しいです。
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さて、少し近況ですが、2月12日にアップしていたコンペ物件ですが、
「横浜KYO」として、設計をスタートすることになりました。
3月頭には現調(現場調査)を行い、敷地内部や周辺状況、境界確認の他、
引き込みされている配管の位置や種類の確認などをしました。
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その後、打ち合わせをもとに、大きな方針、形状としてはコンペ案を基に、
高さや光の取り入れ方、その他収納などの細部とあわせてスタディを行っています。
先週、今週と、私達が非常勤で行っている能開大の学生さんが授業のインターンシップで
来てくれており、スタディと連動した模型作りに活躍してくれました。
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また、途中の様子も含めて、家作りについて紹介していきますので、
どうぞお楽しみに。
それから、ずいぶん時間がたってしまいましたが、07年の春に竣工した「八王子D」と、
先日平さんに撮影してもらった「豊島T」を、hpの「works」にアップしました。
※八王子Dはまんぼうで撮影した、住み始めてからの写真が中心です。
こちらもまた感想などお聞かせいただけると嬉しいです。
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↑↓ 豊島Tの内観と外観です。
ここでは、2つの坂道に挟まれた不整形な敷地の中に、建築基準法で
確保できる限りのヴォリュームを形成しています。

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