工事契約を行いました。市川F

2012年10月17日

この週末は、千葉に設計中だった住宅の工事契約を行いました。

正確には、工事請負契約は建て主と施工会社で取り交わしますものであり、
建築士は第3者としての立会いになります。

ここに至るまで、私達は実施設計が完了したら施工会社に見積もりを依頼し、調整を行いますが、
これらは設計契約上は建て主と施工会社の間で行うものであり、
建築士は必要な図面や資料の作成と、助言をする立場となっています。

とまた少し説明が長くなってしまいましたが、この住宅は旗竿敷地に建つ2世帯住宅で、
恵まれた広さの敷地環境を活かし、世帯の間に大きな中庭を挟む形で計画しています。

2世帯住宅ではいろいろなメリットもありますが、親子といえども別の生活を営む世帯なので、
生活時間の違いや互いの距離感などは、そのご家族の考えを汲み取り、
将来も見据えて、慎重に設計する必要があると考えています。

この住宅は完全分離型ではなく、玄関や水廻りの一部と、図書コーナーなどの趣味の場所は共用し、
合わせて中庭を間に挟むことで、お互いストレスにならない距離を作っています。

工事に入るのは来月以降の予定ですが、またこちらでも紹介していきたいと思います。

※写真は夏頃の敷地。お父様が草刈りをしてくださいました。

水道管の確認を行いました。横浜S

2012年10月16日

現在工事に入っている猫と子供と暮らす家の水道管の確認をしました。

今回は新築工事なので宅地内の水道管はすべて新しく敷設するのですが、
前面道路から引き込まれた敷地内の給水管が鉛管であることが判明し、市役所へ確認に行ってきました。

※鉛製給水管は柔らかく加工や修理をしやすいことから、昭和20年代まで広く使われていましたが、
鉛製給水管は漏水が多く、健康に影響があることから、横浜市では昭和53年度から鉛管の使用を
全面的に廃止されています。

横浜市では鉛製給水管の解消に取り組んでおり、すでに道路から敷地の入り口までは交換済みで、
敷地内にのみ残っている状況だったため、この部分は今回の工事で交換をすることになります。

現場では掘り返してみてわかることもありますが、一つずつ解決していくことが、
長く暮らすための家を作ることに繋がると考えています。

※宅地内の鉛製給水管を取り替える工事費を助成してくれる制度もあるので、
気になる方はチェックしてみてください。
宅地内鉛管改良助成制度

ダイニングに集う家

2012年10月12日

先日提案させて頂いた、ご夫婦と二人のお子様と、将来ご両親との2世帯を想定した住宅です。

周りを住宅に囲まれた密集地にありながらも、心地よい環境を取り込み、
テレビばかりではなく、小さいお子様と一緒に過ごす時間を大切にしたい。
みんなが落ち着く場所や本を読む場所、そして自分たちの時間や場所も大事にしたい。
などいろいろな要望がありましたが、中心にあるのは「家族が帰ってきたくなる家」です、
とのお話から、家族がそれぞれの時間を過ごす場所をきちんと作ることと、
家族の集う場所となるダイニングを気持ちよく作る「ダイニングに集う家」をつくりました。

内部はスキップフロアになっていて、キッチンとダイニング、リビング、子供のロフト、
たたみの和室、図書コーナーなどを異なるレベルに作ることで、
限られた面積の中でも程よい距離を保つ場所を作ることを計画しました。
また、ゲストルームと将来のご両親の部屋となる和室は、一番距離感の設定が大事だと考えました。

具体的には、和室が普段使わない部屋になるのはもったいないのでリビング横がいいけど、
同居された時にはお互いの声や音が気になって、遅くに帰ってきたご主人がくつろげない、
などのそこで過ごす場合の距離感を考え、私達はプライベートな1階とパブリックな2階の中間、
ダイニングより半ステップ下がった1.5階レベルに和室を作ることを提案しています。

スキップフロアは複雑に思われがちですが、近くにありながらも目線の高さを変えることで、
コンパクトなスペースにいろんな性格の場所を混在させ、風の道も作りやすい利点がありますが、
どうしても上下の移動が多くなるので、日常動線をいかに整理するかがポイントになります。

残念ながら、今回の案は実現しませんでしたが、
家族がラクに生活できる距離や形について、今後もしっかり考えていきたいと思います。

田園都市に集合の一日。

2012年10月12日

昨日はとにかく、たくさん歩いた1日でした。

まず朝はこんな緑の景色を抜けた敷地にア・ラ・イエ プロジェクトの関係者が集まり、
あれこれ仕様についての打ち合わせ。

正規ルート(?)は公園をぐるっとまわる道なのですが、緑の中を抜けた方が気持ちいいので、
公園を抜けて川を渡って現地に向かいます。
昨日は曇り空でしたが、早朝の犬連れ散歩や休日のピクニックをしたくなる気持ちの良いところで、
通うのが楽しみな場所です。

ちなみに奥に見える人影は一緒にプロジェクトに参加しているみやけんの宮崎さん。
同じく朝の気持ち良いルートを通り抜けてくるところでした。

その後は田園都市建築家の会の拠点、家づくりカフェに集合して、
田都会を地域の人により知ってもらうため、メンバーで地域へのチラシ配布を行い、
4人チームでアップダウンのある街並みをひたすら歩くこと2時間強。。
地道な作業ですが、地域のためのプラットフォームを目指している会だからこそ、
歩いて街を知ることは大事だとの思いで、メンバー一同頑張っています。

そしてその後はまた最初の敷地のプロジェクトやその他もろもろの打ち合わせをして、
みんなでちょっとだけ美味しいビールを飲んで散会する頃には、もう辺りは真っ暗に。

ヘトヘトになりましたが、たくさん歩いて気持ちよく疲れた一日でした。

床付けの確認を行いました。横浜S

2012年10月10日

先週のことですが、床付けの確認を行いました。

今回は地盤改良と遣り方の確認も行っているので既にレベルは決まっていますが、
先行配管の必要な箇所の確認と、今後の打ち合わせを兼ねて、
床付け完了、砕石、捨コン前の状態を確認しました。

工事の順番としては、遣り方をして、根切りで掘ったら砕石を敷き詰めて固め、
その上に捨コンを打ちます。

砕石敷きには、根切り後、砕石を敷いて転圧することで接地面の表面積を増やし、
地盤に建物の荷重を均等に分布させるための役割があり、
捨コンには、その後の隅出しや型枠を建てる時の作業性を上げることと、
基礎コンクリートの底面の型枠としての役目があります。

そして杭頭(天端)は砕石の天端レベルにあり、捨コンで均して平らな底面をつくり、
ここまで終わってやっと基礎の配筋工事が始まります。

となんだか説明ばかりなので、ちょっとこの家の概要を紹介します。

ご夫婦と2歳のお子さんと、ご主人が大学生の頃から20年ほどずっと一緒にいる猫が
一緒に暮らすための家で、周囲よりレベルが高く恵まれた環境と、
庭との繋がりを大事に考え、1階にリビングをつくります。

猫は1階の心地よいリビングや、リビングの吹き抜けに面した2階やテラスから、
家族の様子を眺めながらのんびりと過ごす予定です。

最終段階ひとつ前のこの模型の屋根は緩勾配ですが、
もう少し南を下げて太陽光パネルを載せる、自然エネルギー型住宅でもあるのです。

代官山蔦屋でランチミーティング!

2012年10月5日

今日は建築家31人の会の広報担当メンバーが代官山の蔦屋に集まり、
今回はホームページについての打ち合わせを行いました。

vol.6が終わったばかりですが、31人の会のホームページの位置づけや改善点の確認など、
今後のための活動はすでに始まっています。
個人の事務所HPとはまた異なる、有益な情報を見やすいサイトにしていきたいと思います。

写真はラウンジで食べたハヤシごはん。

メニューを真ん中に置いてあるiPadで見ることにびっくりしましたが、
お肉もほろほろで、とても美味しいランチをいただきました。

河辺さん、大塚さん、石井さん、朝からお疲れ様でした。

余談ですが、蔦屋には自転車置き場が完備されていました。
乗り換えと歩きを考えると自転車で動きたい、ということも多いのですが、
こういった場所がもっと増えてくれるととてもありがたいですね。

また今度、ランチがてらゆっくり本を探しに行きたいと思います。

遣り方の確認を行いました。横浜S

2012年10月3日

昨日は横浜の猫と子供と暮らす家の現場で、遣り方の確認を行いました。
遣り方(やりかた)とは、隣地境界線との離れや、通り芯の基準、寸法などと、
高さの基準などを決める、重要な作業です。

先日の地縄でも、杭工事の基準を出すために確認を行っているので、
高さは杭頭レベルと合わせてチェックし、これから基礎工事に入ります。

この先は、根切りといわれる掘削を行い、底面を平らにする床付け、
基礎型枠の底を作るための砕石、捨コン、と進んでいきます。

完成するとどれも目には見えなくなってしまう工程ですが、
現場の監督が段取りを行い、一つ一つ確認していくのが現場監理です。

ちなみに下の写真は今回の杭頭。

事前の調査で支持地盤が傾斜していることを確認しているので、
支持層への到達を確認しながら、4~10mの鋼管杭を打設しました。
長い箇所では3本の杭を繋いで施工しています。

田園都市建築家の会×ア・ラ・イエ、始まります。

2012年10月1日


私達も参加している「田園都市建築家の会」と「東急電鉄ア・ラ・イエ」の
コラボレーション企画が進行中です。

実在する南町田の敷地に、「家族を楽しむ家~子供と共に育つ」を共通テーマに、
今回はまんぼうも含めた5組のメンバー建築家が提案を行っています。

ほぼ同じ条件の土地にメンバーの考え方を反映した25坪の家の模型が並んでいますが、
どれがまんぼうの案かわかりますか?

連動してメンバーによるトークイベントなども企画中ですので、どうぞお楽しみに。

お気に入りと緑に囲まれる家・中野M その4

2012年09月27日

この家では、ダイニングキッチンが中庭と繋がるように、土間としてつくっています。

手前のダイニングスペースには、前の家から引き継いだダイニングセットを置き、
庭と繋がり、緑を眺めながら過ごす場所になっています。
(今の様子はこちら

その後ろの緑の壁は、施主夫妻が合板の壁にマグネット塗料と黒板塗料を重ね塗りして作った黒板壁で、
内部にはトイレがあり、その外に手洗いをつくりました。

この場所にあることで、来客の手洗いや、庭いじりを楽しんだ後の手洗いなど、
いろんな用途に使える手洗いになっているのですが、この手洗いには少し仕掛け?があります。

と、ちょっと前置きが長くなりましたが、
この手洗いは、設計中にご夫妻が見つけられたアンティークの家具を使い、
その上に置き式の洗面器を備え付けて制作しました。

もちろん、配管が繋がっているので移動することはできませんが、
この手洗いは、ご夫妻と私たちのお気に入りの一つです。

地縄の確認を行いました。横浜S

2012年09月26日

昨日は横浜S邸の、地縄の確認を行いました。

「地縄」では、家の建ち上がる形に縄を張り、現場の監督さんと設計者で、
基準となる通り芯の位置や建物の大きさ、地盤レベルなどを確認します。

作業としてはとても簡単そうに見えると思いますが、
これまで図面上に書いていた建物の位置を実寸で地面に写す工程で、
この後の工事のすべての基準となるので、責任は重大です。

実際には、通り芯の位置に水糸といわれる蛍光色の糸を張り、
基準となる場所で、敷地境界からの距離位置と基準高さを確認します。
今回、建物は擁壁の上に建ちますが、敷地境界を示す石は擁壁の下にあるので、
下げ降りという道具を使って確認しました。

それから建物の外形を確認。
地縄を張ると小さく見えるとよく言われますが、
この家はのびやかな敷地に、ゆったりと建つ予定です。

お気に入りと緑に囲まれる家・中野M その3

2012年09月25日

緑がテーマのこの家には、草屋根と植物を育てやすい仕掛けがあります。

草屋根はリビングの上に野芝を張っていて、断熱としての役目も果たしながら、
毎朝立つ、お気に入りのタイルを貼った洗面カウンターの前に、緑の景色を作っています。

この竣工写真を撮った頃にはまだきれいに生え揃っていましたが、
その後はご夫妻の希望通り無造作な野芝にいつの間にかタンポポや野花が咲き、
晴れの日は洗濯物やお布団を干す、緑の気持ちいい庭になっています。(半年後の野芝

視界の気持ち良さから端から端までガラス張りとしていますが、
ここは脱衣スペースとトイレでもあるので、鏡貼りの扉をスライドできるように作っています。
また、カーテンレールも窓に合わせて埋め込んであるので、どうぞご安心を。

そして緑を育てやすい仕掛けは、1階の中庭に面するサッシに掛けた庇にあります。

スチール板を曲げて作った庇には、先端に等間隔に小さい穴が開いていて、
緑のカーテンを作りたい時のネットや支柱を張りやすいようになっています。

少し細かい話でしたが、施主の望む生活スタイルに合わせて作りこんでおくことで、
ラクに生活できる住まいになればいいなと思っています。

次回は施主のこだわりから作ったものを紹介します。

ホームページをリニューアルしました。

2012年09月20日

かれこれ数年以上前、自分で試行錯誤しながら作ったHPでしたが、
自分たちのやりたいことやWEBを通して伝えたいこともはっきりしてきたので、リニューアルしました。

新しいHPでは、形をつくる時に私たちが考えていることや仕事の進め方、
そしてまんぼうとして活動してきたことを振り返り、カテゴリ分けして整理しました。

いつも考えていることは、「まんぼうが大事にしている5つのこと」としてまとめましたが、
その中心でぶれずにいたいことは、「住まう人にとって最良の住宅となること」です。

自分にとっての最良とは何か、こだわりたいことは何か、何が条件か、など、
家づくりで大切にしたいキーワードを見つけるきっかけとなればと思っていますので、
まずはいろんなところを見てみてください。

その上で、私たちと一緒に家づくりを楽しんでもらえれば最高だと考えています。

また、今回のリニューアルに際し、やりたいことだらけの要望を根気よく整理し、
時には厳しくまとめ、すべてを形にしてくださったあまのゆうこさん、ありがとうございました。
家づくりの際の施主とまんぼうの関係もこうありたい、と改めて思う楽しい時間でした。

皆様、今後ともまんぼうをよろしくお願いいたします。